福利厚生を知る

企業選びのポイント

企業選びのポイントはいくつかあります。仕事の内容(自分のやりたい仕事、やりがいのある仕事)、会社の安定性・成長性、給与、休日・休暇などがありますが、これらと並んで重要なのは福利厚生です。就活ポータルサイトでも企業情報には福利厚生という項目が必ずあります。しかし福利厚生とは何かと訊かれると答えに窮する人も多いのではないでしょうか。

福利厚生とは

福利厚生とはざっくりいうと会社が従業員に与える給与以外の報酬やサービスです。働きやすい環境を整えたり、社員のモチベーションを上げたり、ようは「この会社で働き続けたい!」と思ってもらうための施策です。従業員満足のための制度といえばわかりやすいかもしれません。たとえば通勤手当や住宅手当、健康診断や人間ドックの補助、社員食堂などです。さまざまなものがありますが、大きく「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」とに分けられます。

法定福利厚生

法定福利厚生とは、法律によって企業に義務付けられている福利厚生で、「法定福利」とも呼ばれます。5つの社会保険(雇用保険・健康保険・介護保険・労災保険・厚生年金保険)に、子ども・子育て拠出金を加えたものが法定福利厚生です。義務付けられているなら企業によって差はないと思われるかもしれませんが、社会保険に加入していない企業も存在します

企業で社会保険に加入していない場合、従業員が自分で各種保険へ加入する必要があります。企業が負担しないので全額自己負担となります。また企業で働くことで加入できる厚生年金保険への加入ができないと、国民年金への加入となり、将来受け取れる年金が少なくなります。さらに雇用保険への加入がないと失業保険を受けられませんし、労災保険への加入がないと業務中の怪我や病気でも医療費を全額負担することになります。このように多くのリスクがありますので、法定福利厚生に加入しているかどうかはチェックすべきポイントです。

法定外福利厚生

法定外福利厚生とは、企業独自の取り組みです。なので企業によって内容は大きく異なります。各種手当や健康診断の補助などは多くの企業で取り入れられていますが、最近ではユニークな制度を導入している企業もあります。外部サービスを利用し、ジムやホテルの補助をする企業もあります。

最初にも書きましたが、福利厚生は従業員満足度アップのために企業が行うものです。仕事の内容や働きがい、給与、休日・休暇などは企業を選ぶうえでもちろん重要な基準ですが、福利厚生が充実している=社員を大切にしていると考えられますので、必ずチェックしなければいけない基準です。

法定/法定外 分類 内容
法定福利厚生 社会保険 病気やケガの治療費を保障してくれる保険です。自営業の人が加入する国民健康保険よりも負担額が小さく手厚い保証を受けられます。
介護保険 介護サービスが必要となったときに保障してくれる保険です。40歳になると強制加入となり、保険料は企業と従業員が折半します。
厚生年金保険 働く人のみが加入できる保険で、受給時には国民年金に上乗せされます。保険料は企業と従業員が折半します。
雇用保険 いわゆる失業保険です。失業時のほか育児休業や介護休業などでも手当が給付されます。保険料は企業が一定額を負担し、従業員が残りを支払います。
労災保険 業務中および通勤中のケガや病気、死亡時に支給されます。企業は強制加入で、保険料は企業が全額負担します。
子ども・子育て拠出金 子育て支援のために充てられる税金です。子どもがいるかどうかは関係なく、厚生年金に加入している全員が対象となります。以前は児童手当拠出金という名称でした。
法定福利厚生 通勤・住宅関連 通勤にかかる交通費や家賃、住宅ローンの一部を企業が負担する制度です。
医療関連 健康診断や人間ドックの費用を企業が負担する制度です。
体育・レクリエーション関連 社員旅行や飲み会、バーベキューやボーリング大会など会社が主催するイベントです。
ライフサポート関連 社員食堂や慶弔・災害見舞金、出産お祝い金、育児・介護休暇などの制度です。
この記事をSNSでシェアする
/